あなた色


薄雲がかかっても

また今日も月は美しく

まだ咲き残った桜があったよと

言いたい夜


言える場所もなくて

伝えられない言葉を

飲み込む


あなた色に染められた季節が

また巡ってきても

あなたはそばにいないまま

ひとりの夜が冷たい


目に見えなくても

心にはあなたが残っていて

何度もその景色が

繰り返し浮かんでくる


ただ近くにいるだけでよかったのに

欲張ってしまったのね


愛しき人よ

私のいない聖域で

どうかしあわせにね